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外国人労働力

約7割が労基法違反状態にあるという技能実習生制度。
君津市では技能実習生制度を後押しする予算に議会で待ったがかかり、修正(削除)されたそうです。

実は袖ケ浦市でも今年度予算の審議を行った際、「外国人労働者の活用支援」というものがあり、意向調査や情報提供くらいで具体的に予算を使う内容ではありませんでしたが、技能実習なのか特定技能なのか、そうした詳細なイメージが想定できていないような印象を受ける答弁でした。

技能実習生という制度はあくまで「発展途上国へ技術移転を促し、母国の産業発展に役立ててもらう」制度であり、人手が足りないからといって雇うような「労働力の需給の調整の手段として行われてはならない」と明確に定められています。

実態が乖離している現状を放置して、闇雲に「外国人雇用を進める~」と言っても違法状態を助長しかねません。

予算委員会では、予算も事業計画も具体的なものではなかったので削除修正のようなことまではしませんでしたが、今後検討するならばそうした状況に十分配慮すべきという旨を申し添えました。

日立「認定取り消し」相当 技能実習巡る監督機関報告、実際は改善命令止まり(中国新聞デジタル) – Yahoo!ニュース –
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200426-00010001-chugoku-soci

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民間保育園募集&一般不妊治療補助について(子育て環境の整備)-9月議会一般質問②

子育て環境の整備をテーマに、「民間保育園の募集」と「一般不妊治療への補助」について質問しました。

現在、袖ケ浦市は一部地域の転入急増によって、保育施設の供給が追い付いていない状況です。
そのため民間保育園の募集について方針を質問したところ、来年(令和2年度)からの次期子育て応援プランを策定中であり、その中で確保体制を検討していくとのことでした。

しかし、現に保育施設の供給が大幅に足りていないのは明らかであり、これではスピード感のある対応になりません。
最終的に過剰にならないよう調整したいという考えは理解できますが、一定量の確保はすぐにでも動くべきと訴えました。

また、そもそもこのような状況になってしまった「ニーズ予測の甘さ」について、しっかりと原因を検証した上で今後の取り組みに臨まなければ、再び需要と供給のズレが生じてしまうという指摘もしました。

 

もう一点の「一般不妊治療への補助」については、まず用語を解説したいと思います。

不妊治療にも程度の重い方向けの「特定不妊治療」と、その手前の「一般不妊治療」に分けられます。

特定不妊治療(体外受精など)は数十万円という非常に高額な費用であり、あまりにも負担が重すぎるため既に県や市で助成金の制度があります。

一方で、その手前の一般不妊治療(タイミング療法や人工授精など)はそこまでの高額な費用ではないため県や袖ケ浦市での助成制度はありません。
しかし、こうした療法は一回当たりの金額は低いと言っても数千円~数万円の費用を何度も通院して支払う必要があり、総額の負担は決して軽くありませんし、通院が多いことが身体的・精神的・経済的にも苦しめられることになります。

このため、県内では船橋市や大多喜町で、県外でも少なくない自治体で一般不妊治療への助成を行っています。

医療機関との調整が必要であるためやや大変ではあるものの、袖ケ浦市においても助成制度の導入を訴えました。

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利用されてない森林を市が管理することに?

3月議会の一般質問その2。

実はこの4月から全国的に制度が変わり、新しい譲与税(国から地方自治体に配分される税)が創設されるとともに、森林の管理の仕組みが変わります。空き家や耕作放棄地の問題と同じように、森林についても所有者が管理しきれないところが既に出始めていますが、災害防止や国土保全、水源涵養といった機能を持つ森林は適切に管理する必要があります。

そこで新たに、所有者による経営が見込めない森林について自治体が管理するものとされ、同時にその財源として「森林環境譲与税」が創設されることになったのです。私が注目したポイントは2つ。
1.市役所としての事務量と費用の増加懸念
2.広域、民間も含めた連携が必要ではないか

宅地と違って境界未確定や所有者不明の場所がかなり多いのではないかと思われる森林。(実は、私の家も昔山林の境界で軽くトラブルがありました)最終的には民間への委託ということになると思われますが、これを管理するとなると相当の事務量、経費の増加が予想されます。まずは意向調査をするとのことなので、森林環境譲与税などの新たな財源(今後は別に森林環境税も創設予定)でまかなえるかどうか不明ですが、かなり厳しいのではないかと個人的には考えています。

また、袖ケ浦市の場合、森林は少なからずあるといっても林業経営はほとんど無い状態です。もっと森林面積が広ければ大規模な林業経営者に任せることも可能ですが、やや中途半端。そこで、広域連携の点を確認したところ、周辺市や県内自治体での連携会議があるとのことでした。しかし、マッチングの機能があるわけではなく、直接的に民間とのつながりがあるわけでもありません。単独で林業経営が難しい本市のような自治体にとっては、外部との連携が不可欠ではないかと思います。最近では「自伐型林業」と言われる小規模な林業経営も注目されつつあり、選択肢も増えています。

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整理:袖ケ浦の水道事業

ここ数日、水道民営化のニュースがかなり報道されています。これまでも袖ケ浦市を含むかずさ4市での広域化についてブログを書いていましたが、水道事業についての関心が高まっている方も多いかと思いますので、改めて袖ケ浦市をとりまく水道事業の状況を整理したいと思います。

まず、多くの報道にもある通り、水道事業の経営が厳しいという状況は袖ケ浦市も例外ではありません。給水人口の減少、生活の節水化傾向(環境や家計にはいいことですが…)などで水道事業としての収入が減る一方で、老朽化した管の更新や今後の維持にお金がかかり、現状の水道料金水準ではまともに経営できません。

特に給水人口(つまり、域内での人口)は人口減少時代にあっては悪化するばかりです。行政が出しているシミュレーションでは、20年後には家庭の水道料金が約1.5倍になるという試算が出ています。このような状況の中で、少しでも経営を良くして料金を抑えたいと考えられたのが「広域化」です。袖ケ浦市・木更津市・君津市・富津市の4市で広域化して統合することで、組織や施設のスリム化、スケールメリットによる外注費用の縮減などの効果があり、経営状態をマシなものにできます。

マシなもの、と書いたのは統合広域化が魔法の杖のように「料金を上げなくて済む」というものではないからです。「やらないよりはやったほうが、料金の上げ幅を抑えられる」というものであり、統合広域化しても料金の上昇は避けられなさそうです。シミュレーションでは、統合によって料金の上げ幅を約1.3~4倍程度に抑えるという試算がされています。

現在のスケジュールでは、来年(2019年)4月に事業として統合され、2029年に料金が4市で統一されたものになる予定です。袖ケ浦市では来年4月に一般家庭で約1割の値上げがありますが、その後料金統一までにもう1段階の値上げがある見込みです。
※現時点での計画であるため、変更となる場合があります。

値上げは生活に厳しいですが、少しでもその上げ幅を抑えるため、統合広域化という手段はやむを得ないものと考えます。このようにかずさ4市では目下「統合広域化」という手段で経営改善を進めていますので、民営化(コンセッション)の話は当面出ないものと思われます。また、避けられない値上げの中で、最低限の生活に支障が出ないような手法を確保することも大事です。そうしたセーフティネットの部分、効率的な経営、防災面の確保などといった観点から今後もチェックをしていくつもりです。

※詳しくはこちらをご覧ください。
君津地域水道事業の統合広域化について – 袖ケ浦市公式ホームページ –https://www.city.sodegaura.lg.jp/soshiki/suido/suido-kihonkyouteiteiketu.html

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副市長人事、否決

昨日は3月定例会最終日。来年度予算案は可決されましたが、先日も投稿した注目の副市長人事は反対12、賛成7で否決となりました。

候補となっていた現企画財政部長は基本的には能力が高く人柄もいいことは議員側もみな異論がないところでしたが、やはり袖ケ浦駅海側地区課税誤り問題の件の大きな責任の一端を担っていた方であり、訓告処分を受けたといえども、還付金の処理も終わっておらず再発防止策が発表されてからわずか2週間で上程されたこの人事案は、一歩ずつ崩れてしまった信頼を取り戻していかなければならないこのタイミングでやるべきではないと考え、反対の立場をとりました。

再チャレンジを許さないということではありませんが、さすがに一般企業等であったらこのようなタイミングでの人事は有り得ないと思います。また、質疑の中で反省の弁がありましたが、どうしても切り離すことができない課税誤りの件に何ら触れずに議案を上程したということ自体、問題であると感じています。

改めて、着実で誠意ある行政の仕事によって地道に失った信頼を取り戻していって欲しいと願います。
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慣例を疑う、情報公開

袖ケ浦市では以前から予算は詳細にウェブで発表していたものの、決算は概要しか発表しておらず、一般市民が詳しく見ることはできませんでした。

なんでだろう?と思って担当部署に聞いてみたら、端的に言うと要は「特に理由はなく慣例的にそうしてた(予算は近隣市と取り決めしてたから詳細まで掲載していた)」というものでした。作成済みの決算をPDFでウェブに掲載するだけなんて予算や労力が特段かかるものではないので、やりましょうよ!と言っていたところ、早速直近の決算発表のページを修正していただき詳細まで掲載されるようになりました。

慣例などは行政の中で日々仕事をしていると気が付きにくくなりがちですので、そうした点に気づいて疑問を投げかけるのも重要だな、と思いました。早速対応してくださった担当部署の皆様にも感謝。
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12月定例会閉会

12月定例会が閉会しました。
今回は決議をとる議案そのものは大きく議論が起こるようなものはありませんでした。しかし、市庁舎整備、平岡小幽谷分校、火葬場などの案件が進みつつあり、今後の大きな展開が見えてきた12月でした。

また、袖ケ浦駅海側の課税誤りについては市長・副市長が引責の措置をとる方向で話が出ていましたが、急きょ取りやめになったため閉会時に市長よりお詫びもありました。

引責の具体的な中身については結局公の場に出ていないので詳しくは申し上げられませんが、個人的には議会で原因等について精査している真っ最中であり、再発防止策もまだ示されていない状況で引責の話をするのはタイミングがおかしいのではないかと思っています。本件は改めて検討するとのことですので、正式に上がりましたらまたお知らせいたします。
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長浦駅近くの廃ビルの状況

画像に含まれている可能性があるもの:空、屋外
長浦駅近く、県道沿いに廃ビルがあるのはご存知の方も多いかと思います。

以前から危険な状態であったため近頃市に状況を聞いたり解決方法を調べたりしていたのですが、先週の台風21号で外壁が一部崩落するという事態に至ってしまいました。市も空き家条例を少し前に創設していますが、このビルに関してはその前から建築基準法上の案件として対応しているそうです。

建築基準法ですと所管は県となるため、市・県で連携して10年前から指導に始まり3年前に措置命令(安全対策をしたり撤去したりするよう命令)が出されています。(このあたりまでは以前に議会でも緒方議員の質問への答弁で出ています)最終手段として行政側には代執行(本当は所有者がやるべきだが、緊急性の高さなどから行政が代わりに安全対策したり撤去したりすること)するという手段がありますが、費用を回収できないリスクが伴います。

しかしながら、運よく事故にならなかったものの崩落が実際に起きてしまっているという状況では、費用が回収できないリスクが伴うとしても致し方ないのではないかと思いますので、県に根本的な解決となるよう代執行の実行を強く求めていく必要があると考えています。(市の空き家条例に切り替えて市が代執行を実施するという手もなくはないと思いますが、助言や指導から猶予期限を設けながらの最終手段というステップが振出しに戻ってしまうため、かなり時間を要してしまうものと思われます。)
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都議選スタート!と受動喫煙対策

今日から東京都議会議員選挙ですね。直接的に関係ないとはいえ、やはり最も大きな地方議会選挙ですから、今後の他の地方自治体に与える影響も大きいので、しっかりと見届けなければなりません。さて、今朝の朝日新聞で受動喫煙対策に焦点を当てた各党の公約比較がされていました。

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・自民「罰則規定のある、原則屋内全面禁煙とする受動喫煙防止条例を制定」
・民進「歩きたばこ禁止、公共施設は全面禁煙、学校や病院は敷地内も含めて全面禁煙。支援強化と罰則で実効性を担保」
・公明「原則、屋内全面禁煙を内容とする罰則規定を持った受動喫煙防止条例を制定」
・共産「罰則規定を含む、屋内の公共空間と職場を全面禁煙にする受動喫煙防止条例をつくる」
・都民ファ「飲食店屋内禁煙(従業員がいない、または全従業員が同意した店を除く。喫煙専用室可)。大学・運動施設・官公庁は屋内禁煙。小中高医療施設は敷地内を含め全面禁煙(ホスピスを除く)。子どもを受動喫煙から守る」
・ネット「子どもを受動喫煙から守る条例をつくる」
(2017年6月23日付 朝日新聞朝刊より)
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まず民進党は飲食店にはノータッチと、比較的緩い設定。しかしこのレベルの規制をやってる自治体は割とあるのでは…そして他の各党は飲食店等も含めた禁煙の方向では打ち出しているものの、国会でも散々議論となった「例外規定をどこまでおくか」が具体的になっていないので、正直どこまでやるかわからないですね。注目の都民ファーストは唯一具体的に言及しているのはいいのですが、『全従業員が同意した店を除く』という骨抜き条件があるのが残念。
アルバイトや平社員で店長に「喫煙OKにするけどいいよね?」と言われて逆らえる人がどれだけいるのでしょうか。というか採用条件にすらなりそうですよね。
総じて、受動喫煙対策に関しては先日の国会の議論に比べたら中身の議論に欠け、世論の盛り上がりの割には大幅な対策強化にはつながらなさそうだな、という印象を受けました。しかしながらまだ選挙はスタートしたばかりですので、更なる受動喫煙対策の議論の盛り上がりを期待したいところです。
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豊洲市場問題とリスクコミュニケーション

豊洲市場問題に関しては元経産省官僚の宇佐美さんのブログ記事がかなり正確なところではないかと思っています。
http://usami-noriya.blog.jp/archives/16530074.html

要約すると、「豊洲市場の安全は既に証明されており移転になんの問題もない」という結論の内容なのですが、ここに『「安全」と「安心」は違う』という論が出てきます。
これ自体は全くその通りだと思います。「客観的事実、科学的・論理的に安全である」ということと、「住民が安心できる」ということは別物で、両者を近づけることこそがいわゆるリスクコミュニケーションでしょう。
住民の安心を求める声を聴くのも政治家の大事な役割である一方、科学的な事実をしっかりと説明するのも重要な役割ではないでしょうか。
翻って、今の都知事及びマスコミの論はどうも後者を軽視しすぎているように感じます。住民の不安をいたずらに煽っても、解決は遠ざかるばかりです。
このリスクコミュニケーションという観点は、豊洲市場の話に限らずあらゆる案件で登場してきます。不安の声を聴きながら、事実は分かりやすく伝えることで「安全」と「安心」のギャップを埋める、そのような役割を果たしていきたいと思います。