「誰ひとり取り残さない災害時避難」。
9月定例会の一般質問はそのようなテーマで、障がいをお持ちの方やペットを飼われている方など、避難時に苦慮する方の対応を質問しました。
①災害時要援護者名簿の収集
災害時の避難に支援が必要な方の名簿については以前から集めているのですが、希望制であるため周知や手間などの問題もあり、質問の中でも改めてある程度の数で頭打ちに近い状態になってしまっていることが確認されました。
高齢者、障がい者などの方が逃げ遅れたり、必要な支援が行き届かない恐れがあり、行政も議会も悩ましい問題として認識していました。
同様の悩みは全国的にありましたが、最近では情報の扱いなど関連条例を定めた上で、基準を設けて「名簿登録を原則として、拒否した場合だけ名簿から除く」という「逆手上げ方式」と呼ばれるような集め方をする自治体もできました。
従来のやり方が行き詰っている以上、このような積極的な方法も必要ではないか、と提案しました。
②障がい者等が避難に迷う問題
災害時には障がい者等に対応するための避難所として、通常の避難所とは別に「福祉避難所」というものが設けられることになっています。
しかしながら、以前も一般質問で取り上げたのですが、「いったん通常の避難所に避難してから、必要と判断された場合に福祉避難所を開設」という流れになっているため、障がい者等の方にしてみれば非常に抵抗や不安のある流れになっています。
当事者の方からも、「通常の避難所には一時的にでもいけない」「避難していいのかわからない」といった声をいただいている問題です。
この問題は内閣府も課題としてとらえた結果、今年5月にガイドラインの改定を行い、「福祉避難所への直接避難」を期待する内容となり、これを踏まえて袖ケ浦市でもこの直接避難をすすめるべきと提案しました。
①②とも、検討して取り組み・調整を進めていくとの回答がありました。
③ペットの避難所対応
2019年の台風15号の際にも問題となったペットの避難所対応ですが、質問の中で「市民会館であれば市営球場のロッカールームを屋内ペット避難所として確保する」という回答がありました。
ようやく、正式な屋内ペット避難所が発表されたことになります。
(※地震など、天候に問題が無い場合は各避難所の軒先等で飼育しての避難になります)
ただ、避難所では体調を崩した方に別室を用意する必要などもあり、今のところ市民会館以外でペットの屋内避難スペースを用意することが難しい状況とのことでした。
球場のロッカールームだけですと1匹あたり2m×2mで見積もると15~20匹程度ということでキャパシティとして少ないのですが、洪水浸水区域や自宅に漏水がある等でなければ必ずしも避難所への避難が必要ということでもありませんので、自宅内や自家用車内の一時避難ということと合わせて、「どのような場合に避難所への避難が必要なのか、市として用意できるキャパシティも率直に示し、とるべき行動を予め市民に考えてもらう」ということも必要であると考え、市としても周知や避難想定を促すべきと提言しました。
(画像は2019年台風災害時のガウラTwitterより)