6月議会で上げられた陳情のうち、「君津にある産業廃棄物最終処分場が過去(第Ⅰ期)に起こした漏水事故に関して、掘り起こし等による原因究明と抜本的解決の実施を指導するよう、千葉県に対する意見書提出を求める」というものについて議会内で意見が分かれました。
この問題は経緯や状況を説明すると非常に長くなってしまうのでこのブログではおおよその流れだけ説明しますが、千葉県のHPに過去の指導内容についてある程度記載されています。
新井総合施設(株)(管理型最終処分場)への指導について/千葉県 https://www.pref.chiba.lg.jp/haishi/press/2011/saisyuusyobunjyou/araisougousisetu3.html
非常にざっくりと言うと、
・事業者が第Ⅰ期処分場に廃棄物を埋め立てていた際、平成24年に廃棄物埋め立て場所からの内部保有水が漏洩していることが判明
↓
・千葉県から以下の指導が出る。
①具体的な流出経路の特定、漏水の他の要因の検討、改善策の効果の確認など、より詳細な調査を実施すること。
②改善策の効果が確認できるまで、産業廃棄物等の受け入れをしないこと。
※環境基準を超えるような重金属は検出されず、周辺へ影響はないと思われる状況。
↓
事業者が揚水井戸や排水管の設置など保有水の水位を下げるための対策を行うも、現在に至るまで保有水の水位がなかなか下がらない
という状況です。
現時点として有害物質の漏洩などがある状態ではないのですが、保有水の滞留を放置することで、将来的に大雨等により漏水した際に有害物質も漏洩することが懸念されています。
この場所は小櫃川水系の上流部にあたり、袖ケ浦市も全くの他人事ではない立地となっていることから、本市議会にも陳情として上げられました。
このような状況について、立地している君津市も千葉県に対して
「第1期処分場の問題が発生してから8年が経過している状況において、未だ事業者が行っている改善対策の効果が見られていないことから、新たな抜本的な改善対策を早期に実施するよう、県が事業者に対し指導すること。」
という要望を出しています。
さて、ここまでの経緯を踏まえて私も当初賛成(採択)でいいのではないかと考えましたが、「掘り起こし」まで求めるのは現実的に(コスト的に)困難ではないか、今後も責任を果たしてもらうべき事業者を無理に潰してしまうような要望は本末転倒ではないか、という議論を経て、趣旨採択(陳情の含意は理解できるが、ただちに願意を実現することは困難である)に賛成としました。
当面続く問題ですので、周辺議会や県・県議会とも連携しながら注視して行きたいと思います。