同じ会派として一緒に活動をしてきて、8月末で議員を辞職し新たなチャレンジをしようとしている 粕谷ともひろ さんと対談をしました。
根本「粕谷さんが今の袖ケ浦に特に必要なことは何だと思いますか?」
粕谷「投資的な視点、特にまちづくりと教育が必要なポイントだと思っています。」
根本「具体的には、どういうことでしょうか?」
粕谷「住宅ニーズに供給が全く追い付いておらず、住宅地の規制見直しが必要です。また、袖ケ浦が昔から強みだった教育についても、ICT(情報技術)を用いた質の向上や、国際化への対応の強化などすべきです。」
根本「確かに、幸いにして袖ケ浦市は住宅ニーズが多い立地ですよね。」
粕谷「そうなんです。羽田空港まで20分ちょっと、高速ICも近隣市のものも含め利用しやすい場所にあり、住宅ニーズは高いんです。しかし、現在袖ケ浦市内の都市計画上で住宅用と定められているエリアには限りがあり、そのニーズに比べて住宅用のエリアが足りていない状況です。その結果、都市計画が後手後手に回ってしまっています。」
根本「将来的にはどうしても人口減少というものは避けられないと言われますが、どう考えますか?」
粕谷「総論としては人口構成上、やはり避けられないと思います。しかし、総論・一般論としての話と現にあるニーズの話は、同じ次元の話ではありません。無秩序な開発は抑制しなければなりませんが、現にあるニーズを無視すべきではありません。また、袖ケ浦市は一定の時期に一斉に住宅開発が進んだ地区があるため、その次の世代が新しく住居を構えるニーズの量にも考慮しなければ、住宅の循環が起こらなくなってしまいます。」
根本「決して無秩序にとにかく住宅供給をすればいいものではない、というのもポイントですよね。」
粕谷「はい、あくまでも既存住宅地の場所を考慮した上で、効率的にインフラ整備ができるようなエリアで行うべきです。」
根本「教育については、どのようにICTを活用していくべきなのでしょうか。」
粕谷「最近のICTの活用方法の一つに、遠隔でのコミュニケーションが昔よりも格段にとりやすくなったということが挙げられます。ビデオ通話で会議をする企業も当たりまえになりつつあります。こうした技術を上手く使えば、教員不足や質の低下が懸念される中、外部人材の活用や幅広い科目の開設など質の高い教育につながります。少子化によって生徒数・教員数が少ない学校はよりメリットが生まれるでしょう。」
根本「様々な事情で学校に行けない、行かない子にも活用できそうですね。」
粕谷「もちろん、自宅や病院等と学校との相互のやり取りも技術的には全く難しいことではないので、そうした子どもたちにも新しい寄り添い方が可能です。」
根本「国際化に対応した教育、というのも年々重要性が増していますね。」
粕谷「インバウンド(外国人観光客)の急激な増加や外国人労働者の増加など、もはや海外に出る仕事でなくても、国際化が求められる時代となりました。小学校でも英語教育が本格化するタイミングですが、行政としても子どもの英語教育について質の高い教材や人材の確保などバックアップしてあげられれば、より『使える英語』が身につけさせることが可能です。」
根本「確かに、観光客はこの10年で約4倍の年間3,000万人以上、この4月から外国人材の『特定技能』制度創設など、もはや『日本を出る気が無いから国際化は関係ない』という時代では無くなりましたね。」
粕谷「様々な仕事がAIや自動化によって代替されていく近い将来、子ども達の教育の質を高めるということの重要性が、より増しています。子どもたちの未来を明るいものにするためにも、ぜひ教育分野の取組みは加速させなければなりません。さらに、『教育のまち』というイメージが定着すれば市全体としての価値も上がっていくので、子どもがいる・いないに関わらず市民全体にとって良い方向に進んでいきます。」
根本「ありがとうございました。袖ケ浦の未来を素晴らしいものにしていきたいですね!」
【粕谷ともひろ さん プロフィール】
昭和51年9月2日生まれ(43歳)
平成7年 千葉県立君津高等学校卒業(22期生)
平成12年 神奈川大学 工学部卒業
平成14年 神奈川大学大学院 工学研究科 博士前期課程修了
平成14年 有限会社 袖ケ浦無線 入社
平成17年 千葉県 ふさの国商い未来塾 8期生
平成17年 地域振興事業『サマーフェスティバルin昭和』立ち上げ
平成23年 東日本大震災ボランティア活動参加
平成23年 結婚
平成24年 長男誕生(現在小学1年)
平成24年 袖ケ浦市議会議員当選
平成28年 袖ケ浦市議会議員再選
袖ケ浦市議会議員(2期)
建設経済常任委員会 副委員長
環境災害対策特別委員会 副委員長
地域活性化推進特別委員会 委員長
元 千葉県商工会青年部連合会理事
前 袖ケ浦市商工会理事
前 袖ケ浦市商工会青年部 部長
元 袖ケ浦市消防団第1分団 分団長