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まちづくりの大きな節目 開発許可権限を県から移譲へ

現在の袖ケ浦市は、開発行為(建物を建てるために土地を工事したり用途を変えたりすること)の許可権限を持っておらず、県が許可事務を行っています。

 しかしながら、県が開発行為の権限を持っていると県内一律の基準となってしまうため、地域の実情に合わせた基準の設定ができません。
 そこで、市では現在令和7年4月より県から権限を移譲し、袖ケ浦市の実情に合わせたまちづくりが可能となるようにする方向で進めています。

 これに伴い、市独自の基準を盛り込んだ新たな条例制定が予定されており、パブリックコメントが受け付けられています(10月20日まで)。

 【主な市独自の基準(案)】
■開発区域内の道路幅員を6m以上とする(「4m以上」から強化。幅員4mだと車が一応すれ違えるけどギリギリ、幅の広い車同士だと厳しいので良好な道路・住環境のため。)
■公園、緑地等を設置する義務が生じる開発面積を0.3ha→1haに緩和(あまり小規模な公園等があっても使いづらく、管理も難しいため)
■農家住宅(市街化調整区域(※)だが農家であるため建築を認められた住宅)等でも、第三者の居住や増改築ができるようにする。
■市街化調整区域でも既存集落として認められる場所であれば自己居住用の住宅の建築を認める。
   ※市街化調整区域…「市街化を抑制すべき区域」として、原則的に建築や開発が認められない区域。

 上記のような独自基準を設けることで、良好な住環境づくりに向かったり、市街地以外の集落の持続可能性が高まったりすることを狙っています。
 これまでの規制内容だと、市街化調整区域であると第三者が新たに建築することは基本的に認められず、市街地以外の集落(一部の団地と認められている場所は除く)は、必然的に衰退するしかありませんでした。

 私としてもこれまでの規制基準は厳しすぎて不合理であると感じていたので、内容の精査はこれからですが、良い方向の改正案だと考えています。


詳細なもの、パブリックコメントはこちらから。ただし詳細は極めてわかりにくいのですが…

袖ケ浦市都市計画法に基づく開発行為等の許可の基準に関する条例(案)の意見募集 – 袖ケ浦市公式ホームページ https://www.city.sodegaura.lg.jp/soshiki/kaihatsu/kaihatukoui-pabukome.html

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子どもの環境について【一般質問】

8月~9月議会の一般質問では、子どもの環境についていくつかの質問をしました。

*自由な遊びのプレーパークを!
自然や廃材を使って遊んだり、泥遊び・水遊びなど子ども達が自由な発想で遊ぶ「プレーパーク」と呼ばれる公園。昔に比べて自由に遊べる場所が減った近年ではこうした場所が増えており、県内でも20以上 の自治体で整備されているそうです。
子ども達のためにも地域の魅力を高めるためにも、こうした場所を設けるべきと以前より提案しており、市としてもその価値を理解したものの、運営を行う地域団体やNPOが必要なことがネックとなっています。市民の中には実際にプレーパークに興味がある、運営に手を挙げたいという声も聞いていますので、うまく市と連携していけるよう引き続き取り組んでいきます。

千葉市:プレーパーク(子どもたちの森公園) ttps://www.city.chiba.jp/kodomomirai/kodomomirai/kikaku/pure-pa-ku.html

トップページ | 川崎市子ども夢パーク https://www.yumepark.net/


*代宿児童館 貴重な子どもの屋内遊び場のゆくえ
現在、代宿児童館については市内の多くの地域から利用があるものの、廃止または譲渡の検討が進められています。しかし、仮に廃止となった場合には貴重な屋内の遊び場が無くなってしまうため、「何らかの形で市内に子どもの屋内遊び場は確保する」というのを議論の前提として置くべきと訴えました。
子育て支援の一環として、屋内の遊び場を新設する自治体も増えています。
近年は夏場になるとあまりの高温により日中の屋外で遊ぶことは推奨されず、こうした施設の重要性は市としても認識しており、代宿児童館の議論と並行して検討する方針となりました。

*学校施設、設備の点検を業者点検とすべき
学校施設、設備の老朽化などによる事故で子供が犠牲になるというニュースは度々あり、そのたびにやるせない思いでいっぱいになります。
遊具についてはきちんと専門業者が入って3年に1度点検を行っているのですが、遊具以外の設備、スポーツ設備などについては教職員が目視等で点検し、判断が困難な場合には業者に依頼するという体制になっています。
質問の中である程度は実際にこの体制が機能して修繕しているケースがあることがわかりましたが、全国的に事故の事例を見ていると、「1週間前に教員が点検したばかりだった」のに事故が発生して、最悪死亡につながる重大な事故となっているケースは珍しくありません。
設備点検は教員の本来業務ではなく、文部科学省からも最近出された指針で「地域ボランティアや民間委託も検討し、教師に行わせないように務めるべき」「特に対象によっては構造上の複雑さや表面の塗装等により教職員では金属疲労や腐食など正確に把握できない場合もある」と書かれています。
こうしたことから遊具点検と同時に実施するなどして業者点検とすべきではないかと質問したところ、実施を検討することになりました。


*子連れでも気にせず使いやすい図書館を
図書館の児童書スペースは親子の会話はOKとなっていますが、認識の問題や結局仕切られておらず声が目立ってしまうことから、小さい子どもと行くには気をつかってしまいます。
他自治体ではより明確に会話ができる場所を設ける図書館を作っているところもあり、物理的に明確に区切るなどして気軽に親子で行きやすい図書館にしないか提案し、まずは現在ある「おはなしのへや」の平日開放について検討すると前向きな回答がありました。
また、答弁としては調査研究するというもの止まりでしたが、駅などで予約本の受け取りや返却ができるようにしないかとの質問も行いました。宅配ボックスと類似のシステムが発達して、昔よりも使いやすく導入できるようになっていますので、検討の価値と実現性はあると考えています。

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チョイソコがうら全域拡大へ 令和6年度新規事業など解説

3月議会で新年度予算が可決され、その中で新たな公共交通手段として期待される「チョイソコがうら」が10月から市内全域に拡大されることになりました。

昭和・長浦地区をエリアA、平岡・中富地区をエリアBとしてゆりの里を乗り換え場所として運行される予定です。

 令和4年から長浦地区での実証実験として始まったこのサービスは当初予定では令和7年までの実証実験の結果を見てその後を判断するという方針でしたが、利用している方の評判がいいことや、他の地域の方からの要望もあることから早期拡大に踏み切った形です。

 私を含め会派としても早期拡大を要望していたので応えていただいた結果ですが、収支状況や乗合率(同時に複数の利用者が乗り合いになるか)はまだまだ厳しい状況であり、ぜひ多くの方にご利用いただきたいと思います。

■その他の新規事業など

*母子手帳アプリの導入
問診票の入力や予約をアプリから行えたり、行政側からプッシュ型で情報を発信したりと、利便性の向上と支援を行き届かせることを目的に導入します。

*重層的支援体制整備事業
高齢者、障がい者、子ども、ひきこもり、生活困窮など様々な分野で支援が必要で、複雑・複合化しているケースにも対応できるように一体的な支援を行えるようにします。
ややわかりにくい事業ですが、まだ市としての解説ページがないのでおおよその概念などを知りたい方は厚生労働省のウェブサイトをご覧ください。

重層的支援体制整備事業について | 地域共生社会のポータルサイト|厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/kyouseisyakaiportal/jigyou/

*被災者支援システム
災害時の業務を効率化するシステムを導入し、罹災証明など災害対応をよりスムーズにします。

*パートナーシップ・ファミリーシップ制度導入   
既存の婚姻・家族の法律に当てはまらない様々な形の関係の方々についても公的に証明することで、行政・民間ともにパートナーや家族としての対応ができるようにします。
行政としては各種申請や受領を代わりに行え、民間におけるサービス例としては医療機関における「治療説明での同席」「入院の付き添い」「手術などの同意」、民間企業では「ローンの配偶者扱い」「生命保険等の受け取り」「クレジットカードの家族カード作成」「家族割の適用」などが想定されています。
また、既に同制度を導入している千葉市や船橋市など県内6市との間で転出入の手続きを簡素化する協定の締結を検討しています。

*自転車用ヘルメット購入補助
昨年からの自転車用ヘルメットの義務化を受けて、着用促進のため購入費用を補助します(2,000円/人 上限)。制度詳細は5月に発表予定ですが、対象は4月1日からとなるので早めに購入される方は領収書を保管しておいてください!

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【金属スクラップヤード等についての条例の効果】と【待機児童対策】

↑3月定例議会の私の一般質問のテーマです。

①金属スクラップヤード等についての条例の効果

金属のスクラップなどを売却などのために一時的に保管している事業場(いわゆる「ヤード」)が市内に現在9ヶ所ありますが、生活環境への様々な影響が懸念されたり実際に苦情として出ていました。

昨年この金属スクラップヤード等を適正に管理するための条例が施行され、まもなく1年を迎えます。 この効果について質問したところ、4事業場で保管基準(積み上げ高さなど)を満たしていなかったとのことで指導を行い、3事業場で改善、残る1事業場も対応中とのことでした。

また、騒音については工場などの連続した騒音ではなくたまに発生する作業音だと既存の法律では規制が難しかったのですが、この条例が根拠となって作業方法や機械の配置の変更、作業時間の遵守など指導に入れるようになりました。 実際に苦情を受け改善させた事例もあるそうです。

さらに、一部報道では水質汚染を懸念する記事も出されましたが、水質・土質検査については「全ての」事業場で市職員が立ち会って3ヶ月に1度実施しており、業者によって不適正な検査とならないようにしているとのことでした。 今のところ1事業場で鉛が検出され詳細調査中とのことでしたが、報道で懸念された事業場については特段異常は出ていない状況でした。

なお、この条例の管轄ではありませんが、都市計画法に反して建築物を建ててしまっている事業条があり、これまでも権限を持つ千葉県から指導がされていますが、なかなか動きが見られないため掲示板による違反の旨の公示なども含め対応を強化するよう県に働きかけるべき、と訴えました。
(実際に違反の旨を掲示板で公示したところ、銀行融資が難しくなるなど罰則効果が出ているケースがあるんだそうです)

最後には市長自ら「立ち入り検査ができるようになったことで保管基準や苦情についての指導を行い、事業者も改善に向けて対応している状況は条例制定の成果。市民の皆さんの生活の安全の確保、また生活環境の保全に努めていきたい。」という答弁もあり、私からも今後の状況を見て条例や規則に修正が必要な事項が出てきたら随時見直すことや、市としても住民対応に一層努力してほしいと要望をしました。

②待機児童対策

まず新年度に向けて待機児童等の見込み状況を確認したところ、入所待ち児童が41人、うち国基準の待機児童が15人という状況でした。 (※3月7日の答弁時点であり、その後も極力受け入れてもらえるよう調整しています。)

待機児童等は年度途中にも増えていきますが、令和5年度では当初の入所待ち児童28人・国基準2人が10月には約100人程度まで膨れ上がったそうで、新年度も近い数字になってしまうことが懸念されます。

本来は4月からの新規開設保育園2園の整備で解消を目指してきたのですが、やはり1歳児あたりはニーズに対して受け入れ数が少なく(保育士1人あたりで見られる子どもが少ない)、残念ながら想定の範囲を超えてしまったという状況です。

現在子育て応援プランという計画の第3期が令和7年度から始まるにあたり策定作業をするところですが、令和7年度の4月に間に合うような整備は現実的に難しい時期です。

しかし、こうした状況を踏まえると小規模保育など比較的早い開設が見込める施設の整備だけでも、年度途中でいいからやるべきではないかと提案し、検討するとのことでした。

またちょっと別の視点で、保育を申請する際の指数表(勤労状況などで「〇点」と点がつく表)について、現在は「(市内勤務の)保育士」に対して加点がありますが、「預かり保育を実施している幼稚園教諭」や「ベビーシッター」にも対象を広げて、受け皿に少しでもプラスになるようにしないか、とも提案しました。

昨年待機児童の質問をした際にも市からは「保育を必要とする全ての方に保育が提供できるよう取り組む」とありましたが、一人一人の人生が大きく影響される問題であり、解消に向けて一層の努力を期待しています。

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水道事業のこれまでと今後の料金など見通し

■水道事業の統合から5年

かずさ4市での水道事業統合からもうすぐ5年。そもそも、なぜ統合する必要があったのか振り返ります。

統合前の袖ケ浦市の水道事業は、管路の高い水準での整備状況など一見良い状態でしたが、よく見ると「一般会計から赤字補填し続けている(1.5億円の補填)」「収益に対する企業債(借金)の比率が4市で最も高い(他3市が2~300%台に対して本市は500%オーバー)」という経営難状態でした。

さらに、4市共通の課題として「老朽管の更新」「節水意識の向上や節水型の器具(トイレや食洗機)等で水の使用量が減少=水道経営としてはマイナス」「職員確保、技術継承が不安」といった課題があり、4市統合によって国の補助金を受けつつ効率的な体制づくり(規模・施設面・組織面)を行うことにしたのです。

そうすることで、「将来的な料金改定は避けられないものの、単独で事業を続けるよりも値上げ幅を抑えられる」というメリットが事業統合にありました。

■今後の水道事業の見通し

5年前の統合時より、上記の通り経営上の課題から段階的な料金改定は避けられないものと想定されていました。それが、統合から6年目の時点(令和6年度)と11年目(令和11年度)のタイミングとなります。

今回、かずさ水道企業団では料金改定予定の時期にあたり様々な検討がされていますが、赤字状態となり繰越留保資金(貯めたお金)も目標値を下回り、令和10年ごろには底をつきる予測であることから、料金改定を行う方向で案が進められています。

具体的な改定幅のシミュレーションは、口径別に定められている料金を一緒くたにするざっくりした「平均改定率」で10%近く上げる見込みで、最も一般的な家庭の口径である20mm管での2ヶ月分の平均使用水量(35㎥)で7,441円→8,260円と平均改定率通りに上げれば約820円の改定見通しが立てられていますが、一時的に市から補助金を出して、約730円(2ヶ月分)に抑えられるようにするイメージの案も出ています。(※最終的には口径別で料金設定が異なるので、口径ごとに何%上がる案かは今後示されます。また、あくまでも平均的な使用量での計算シミュレーションであるため、実際には各家庭の使用量で異なります。)

値上げ改定そのものは元々の状況と計画+現在の物価状況からある程度は致し方ないものとは思いますが、私は水道企業団議会において「最新技術を用いた業務の効率化(例えば、衛星を用いた漏水調査など先進事例で実績が出つつあるものもあります)」や「(将来的に)技術継承などコアな部分以外の人員圧縮」など経営の効率化を求めており、こうした提案やチェックが将来的な値上げ幅抑制につながるため、今後も行っていきます。

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危うく台風災害  進んできた防災の取り組み

9月8日に接近した台風13号では、幸いにして袖ケ浦市で大きな被害は出なかったものの、市原市、茂原市、大網白里市をはじめ県内他自治体で河川の氾濫などの被害が発生してしまいました。
令和元年の台風被害以降、市や県でも防災の取り組みを加速させてきましたので、一部をご紹介します。

■令和元年台風時には、県との連携がうまくいかず被害状況が共有できていなかったため、「リエゾン(連絡調整員)」が県から早期派遣にとどまらず予め被害発生前に派遣される体制となりました。実際に今回も、台風が本格的に接近する前に袖ケ浦市にも県から派遣されました。
■市の防災訓練についてこれまでの1ヶ所実施ではなく、市庁舎での災害対策本部+市内5公民館での同時実施となり、より実際の災害時に近い環境下での訓練となりました。
■河川の水位の危険性がどこからでもわかるように、水位計の設置箇所を増やすとともにインターネットで誰でも見られるようになっています。(河川の水位・防災情報 – 袖ケ浦市公式ホームページ https://www.city.sodegaura.lg.jp/soshiki/doboku-kensetsu/doboku-kensetsu-kikikanrigatasuiikei.html
■倒木などで道が塞がれていても被災状況等を素早く確認できるように、ドローンが導入されました。
■消防団(本業を別に持つ一般市民の消防組織)の訓練は、油圧器具での障害物切断、チェーンソー、狭所での救助、低体温症を防ぐ処置、倒壊物からの救護など実践的なものになっています。震災や大規模台風災害など被害が広範囲に及ぶと市の消防だけでは手が回らないため、消防団が重要になります。
■総合ハザードマップが改訂され、これまで地震、洪水等の災害種別ごとに発行していた防災マップが1冊にとりまとめられたほか、直近の土地開発状況や被災予想の情報を踏まえた内容で更新されました。(従前のものはまだ袖ケ浦駅前も田んぼの表示でわかりにくいものでした…)
■ペットの避難所として市営球場を使用するなど、ペットの避難対応について整理されました。
■電話回線の使用が困難な場合に備え、IP無線機が導入されました。
■感染症流行と被災が重なった場合に備え、衛生用品や仕切りなどの備品拡充と運営マニュアルの作成がされました。
■災害時の物資供給、入浴施設の開放、行政書士による市民の手続き支援など17件の新たな災害時応援協定を締結しました。なお、袖ケ浦市議会としても友好議会である岩手県久慈市と災害時に連携をとろう、という確認を先日してきました。
■蓄電池・ソーラーパネル・投光器などを収納した「自立型防災タワー」を各公民館に設置。(PR-EPB-1415W/R – 防災・非常用製品 – プライム・スター株式会社 https://primestar.co.jp/product/cat15/10937/

県との連携体制、ハザードマップ改訂、ペットの避難対応など、私もこれまで改善の提案をしてきた事項が着実に強化され、次なる災害への体制を整えつつあります。
一方で私も先日茂原市の災害ボランティアに参加しましたが、実際の災害現場で多くの課題を感じました。
「防災・災害対応」はもちろんまだまだ改善の余地が多く残る課題ですので、お気づきの点などぜひご意見をお寄せください。

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18歳以下に臨時給付金 6月補正予算

6月補正予算が可決されました。

通常は3月に当初予算が組まれたばかりなので6月補正予算ではあまり大きく補正はしないのですが、今回は新型コロナウイルス関連で国から交付金があるのと、物価高騰が著しいことからいくつかのイレギュラーな補正予算が組まれました。

■ガウラっ子みんなで応援臨時給付金(+ようこそガウラっ子応援臨時給付金)
先だって、千葉県で小学生~高1の子どもを対象に1人1万円の臨時給付金支給が決定しました。
データ上、習い事や新入学の学用品など支出が多いところに絞った結果このような対象年齢になっているのですが、袖ケ浦では国の交付金を活用して上乗せし、18歳までの全ての子ども(平成17年4月2日~令和5年4月30日生まれ)を対象に同様に支給することとしました。
また、今年度中に転入してきたり、新たに生まれた子どもについても不公平にならないよう同様に支給します。

■電力・ガス・食料品等価格高騰緊急支援給付金事業(国事業)
物価高騰を受け、低所得世帯に1世帯あたり3万円を支給します。

■キャッシュレス還元事業
キャッシュレス決済のポイント還元キャンペーンを行うことで消費の下支えをします。
還元率10%で、paypay、au pay、d払いが対象。
11月ぐらいからの開催を予定しています。
個人的には、袖ケ浦でのキャッシュレス還元キャンペーンは初となるため、消費喚起効果と域外からの消費取り込み(後者は定量的な計測は困難ですが)がどの程度あるか注目しています。

■物価高騰対策農業者支援金事業
肥料・飼料や燃油等の高騰の影響軽減のため、農業者に規模に応じて5~50万円の給付金を支給します。

■学校給食費物価高騰分負担事業
保護者側からすると変わらないのでとてもわかりにくいのですが、当然ながら給食の原材料なども物価高騰の煽りを受けています。
揚げ物につかう油にいたっては従前の1.3倍ほどに値上がりしてしまっているそう。
そのため、約2,700万円を投じて給食費や給食の質・量に影響が出ないようにします。

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「攻め」と「守り」の土地開発

前回定例会での一般質問からの紹介です。

いま袖ケ浦駅北口や蔵波地区での住宅地化が進んでいますよね。
これまで住宅地でなかったところを住宅地にする際などは、いくら土地を所有していても勝手にできるものではなく、行政の許可が必要になります。
新たに住宅地などにすることを「開発行為」と言いますが、この権限は行政といっても袖ケ浦の場合は市が直接持っているわけではなく、千葉県が権限者です。

袖ケ浦市ではこの権限を3年後に一部県から市に移譲する方針としたため、その内容や目的について質問しました。

県が開発許可権限を持っている状態のデメリットとして、
・市の理想とするまちのありかたと、開発できる条件が噛み合わないことがある(あまり開発してほしくないところで開発許可が下りてしまう場合がある)
・「開発審査会」という審議会を経るが、時間がかかる上にOKが出るか確実性がないため、開発者側が進めづらい
という点があります。

そこで、市に権限を移譲することで『無秩序な市街地の拡大を抑える(例:蔵波地区など)』という「守り」の面の機能と、『市の特性を活かした土地利用の誘導を図るため、独自の許可基準を市条例に定め、迅速且つ、明確に開発行為を行えるようにする』という「攻め」の機能を持つことができるようになります。

「攻め」の面では、特に産業系施設等など地域振興にプラスなものは作りやすくする方針です。

袖ケ浦市は内陸部を中心に「市街化調整区域」という開発がかなり厳しく制限されているエリアがとても多い都市計画になっています。
効率のよい農地などはもちろん守る必要がありますが、必ずしも農地に最適とは言えない場所や使い道のない土地もそれなりにあり、高速道路網や港湾・空港へのアクセスが良いという有利な立地を活かし切れていない感を私も実感しています。
(お店やスポーツ施設など、袖ケ浦でやりたい!というお話を聞いても可能な場所がない…ということを何度も経験してます)

もちろん「単に住宅地抑制をすべきなのか?」「開発をどのように認めやすくするのが住民にとって良いのか?」といった論点はありますが、いずれにしてもそうしたまちづくりにとって重要な事項を市が主体的に決定できる体制にすることは、進めるべきことであると思います。

今回の一般質問では、市がそうした主体性をもっていくという覚悟の表れを聞くことができました。

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こども医療費助成拡大やサイクルツーリズム!令和5年度新規事業ピックアップ

3月定例会が終了し、令和5年度予算が可決承認されました。
既存事業も細かい変更がいろいろあったりするのですが、わかりやすい新規事業についてピックアップしてご紹介します。
 
 
■謎解きイベント開催
市内を周りつつ謎解きをすることで、市をよく知ってもらう(主に子ども向け)
 
■児童生徒向け日本語教室
学校の長期休暇期間に、日本語学習支援を行う
 
■重層的支援体制整備事業(の移行準備)
これまでの福祉の体制は、「高齢者」「障がい者」「虐待」「生活困窮」などのリスクごとの支援制度・組織体制でした。
この仕組みの課題として、いわゆる「8050問題」や「引きこもり」「ヤングケアラー」など既存制度の対象とならなかったり複合的な問題となったりしている、狭間のような課題に対して対応が難しいという問題がありました。
そこで、包括的な支援体制をつくることで、「すべての人を対象」としようとするものです。
これまでの福祉事業であった相談支援や地域づくりの支援に加え、就労支援や見守り等居住支援などの「参加支援」、相談を待つだけではなく訪問して繋がる「アウトリーチ等を通じた継続的支援」、支援関係者を調整する「多機関協働」といった機能が加わります。
 
■子ども医療費助成事業
これまで中学3年生までが対象であった「入院1日、通院1回あたり200円または無料」という医療費助成の対象を18歳の年度末まで拡大します。
 
■放課後児童クラブ支援
新たに奈良輪小学区の拡張、昭和小学区・蔵波小学区の新設を支援します。
 
■不妊治療費等助成
制度が改正されて不妊治療は保険適用となっていますが、それでもなお安価ではないため、一般不妊治療・特定不妊治療ともに2分の1・上限年間5万円の補助を行います。
 
■コワーキングスペース開設支援
テレワークや副業等、最近の働き方の変化に応じた場所を整備して起業拠点を創出するため、コワーキングスペースの開設を支援。
 
■サイクルツーリズム
横田駅周辺にもレンタサイクル拠点を設置。さらに貸し出しだけに終わらないよう、目的地になりそうな施設へサイクルラックの設置を支援するなどサイクルツーリズムを仕掛ける。
 
 
今回の予算委員会は例年以上に様々な質問が出され、多用なバックグラウンドや観点を持つ議会だからこその機能だな、と感じました。
私含め厳しい意見も少なからず出るのですが、コロナで止まっていた事業も本格的に再開できそうな中、期待が持てる予算でした。
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いわゆる金属スクラップヤード条例の成立

年を越してしまいましたが、12月定例会においていわゆる「金属スクラップヤード」について適切な運用がされるようルールを設ける条例が可決されました。
正式名称は「袖ケ浦市再生資源物の屋外保管に関する条例」です。

■そもそもの背景
近年アジア等の海外で金属スクラップの需要が高まったことから、一見してゴミ扱いの金属スクラップが輸出されるようになり、その保管場=金属スクラップヤードが市内にいくつかできています。
それ自体がただちに悪いことではないのですが、「ゴミ」ではないため従来のゴミ(廃棄物)保管場所に対する法規制の対象外となってしまい、騒音・悪臭・危険性があっても適用できるルールが無い状態でした。

■新たにルールを!
そこで、そうした金属スクラップヤード等に対して新たにルールを定めよう、というのが今回の条例制定の趣旨です。
ざっくりとした内容は下記の通り。
*対象…金属、木材、ガラス、コンクリートなど
*事業者の責任はもちろん、土地所有者も問題ない内容であることを確認する責任、市も安全及び環境保全に務める責任がある。
*許可制とし、設置の場合は市との事前協議、住民説明会が原則必須。
*各種安全面、環境面の基準設定。水質・地質の定期検査実施。
*住宅、学校などから保管場まで100m以上離すこと。
*市の立ち入り検査や、問題がある場合の勧告、命令、許可取り消しができる。
*既存のヤード(保管場)にも事前協議や立地基準など以外の項目は適用される。

私自身、地元地区の金属スクラップヤード業者との対応をしつつ、市に対し県と調整して条例制定をするよう促してきました(当初、県条例が制定された場合の重複を懸念していた時期がありました)が、千葉市での先行した条例があるとはいえ、まだ規制を設けている自治体がほとんど無い中で市として積極的に動いた結果だと思います。