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新庁舎建設凍結の発議案もー12月定例会閉会

18日で12月定例会も閉会し、多くの施設の指定管理者更新(一部変更)議案を含む市からの提出議案は全て可決されました。

そんな中、特別委員会の設置と新庁舎建設凍結の発議案が議員提案で出されました。

特別委員会の設置
常設の委員会の他にテーマを絞って設ける特別委員会ですが、今回2つ設置されることとなりました。
一つは慣例的に毎回設置されている「環境災害対策特別委員会」(名前の通り、環境や災害対応などの課題に対応します)。
もう一つは、内輪の要素が強いですが、議会のICT化を進める「議会ICT推進特別委員会」です。
現状の議会はアナログな部分がまだ多く残っていますので、ICTを用いて効率化・活性化を図っていきます。
そして、私はこの委員会の委員長に選ばれましたので、積極的に進めていきたいと思います。

②新庁舎建設凍結の発議案
共産党の2名(篠崎・砺波議員)と吉岡議員の3名から、新庁舎建設事業を凍結すべきとの発議案が出されました。
これは、主旨を要約すると「コロナ禍で社会の経済状況、家計が悪化している。多くの自治体が財政悪化を見込んでおり、このような状況下での新庁舎建設事業は新型コロナウイルス感染症について一定の終息目途が立つまで凍結すべき」というものです。

一旦新庁舎云々は抜きにして、市の施策全体として見れば私も現在はコロナ対策を最優先すべきであると思いますし、今後財政悪化が見込まれる中で今まで以上に事業の精査が必要であろうと思います。

しかしながら、新庁舎建設事業は耐震不足が発覚している現在の市庁舎について、防災拠点として機能しなくなるリスクを避けるための決して不要不急ではない事業ですし、そもそもコロナ禍の前から少子高齢化の影響などで財政見通しが決して明るくない前提で無駄のないように計画してきたものです。
ですので、凍結したところで大きく費用を減らせるような計画変更は現実的ではありません。
また、地方債やこれまで積み立てた基金を中心に使うため、凍結しても今コロナ対策として使えるようなお金は出てきません
長期的に見ても、なるべく一般事業への影響がでないよう平準化されています。
加えて、既に着工が迫っていますのでこの時点で凍結すれば損害賠償リスクも負いかねません。

質疑の中でも、熊本地震で耐震強度が足りていない複数の市庁舎で被害が出ており、ひどいところでは建物が使えなくなった結果、使えるPCが2台、電話が1回線のみというような状態になってしまった実例が紹介されたり、凍結して次に具体的にどうするのか、といった指摘がされたりしました。

現在の計画に過剰や無駄があるといった具体的な指摘を伴うものであるならばともかく、市民の命を守る拠点となる施設ですので、財政的な負担を抑えるという観点は持ちつつも、簡単に止めてはならない事業であると考えます。
(もちろん、同時に市民に丁寧に説明しながら進めることも重要です。)

以上のことから事業凍結に反対し、議会としても賛成4名、反対17名で否決となりました。

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コロナ禍も踏まえた教育環境(一般質問)②

さて、前回の続きです。

【②コミュニティスクールの検討状況】

コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)は、学校と地域住民等が力を合わせて学校の運営に取り組むことが可能となる「地域とともにある学校」への転換を図るための仕組みで、平成16年から制度化された後、平成29年の法改正で、全ての公立学校がコミュニティ・スクールになることを目指し、学校運営協議会の設置が努力義務化されました。

参考リンク:コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度):文部科学省 –

保護者・地域住民等とビジョンを共有することで学校運営への理解の深まりや、子どもたちの学びの広がりといったことが期待されています。

コロナ禍という状況の中において今年度は議論が進めにくい状況であるとは思いますが、コロナ禍で学校運営が大変な状況となったからこそ、今後地域で学校運営を共に行っていくことの意義を考える重要性は高まったと思います。

実はこの制度千葉県では馴染みが薄いですが、令和2年7月の調査では全国の公立小中学校等の導入率は30.7%となっています。県内では7.3%とのことで、千葉県が平均よりかなり導入率が低いという状況です。(教育委員会としても、理由はよくわからないとのことですが…)

市では現在「学校評議員制度&学校支援ボランティア」という形で地域との関わりを持とうとしていますが、コミュニティスクール(学校運営協議会)の仕組みの方がより具体的に権限を持つことで、地域の連携・協働体制が組織的・継続的に確立され、「地域とともにある学校づくり」や「課題解決に向けた取組」を効果的に進めることができる、と言われています。

ただ、私としてはコミュニティスクール(≒学校運営協議会)方式が絶対に良いと言うつもりはありません。これまでの地域との関わりや事情があるため、最適解とは限らないからです。

しかし、市・学校・教育委員会側だけでこの結論を出すのはおかしいのではないかとも考えています。
私の周りでも、コミュニティスクールのような仕組みで学校運営をサポートしたいという声を聞くことがあります。
どういう結論を出すにしても、保護者や地域の方たちと共にこれからの学校運営を考えるプロセスを経なければ、真に「地域とともにある学校」は築けないでしょう。

 

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コロナ禍も踏まえた教育環境(一般質問)①

3月の一斉休校から多大な影響を受けている教育環境。 今回の一般質問では、そのようなコロナ禍での教育環境についての質問を行いました。

【①新学習指導要領の対応状況】

ただでさえ大変だった今年の学校ですが、実はちょうど10年程度に一度改定するカリキュラム「学習指導要領」が改訂され、今年度に小学校、来年度に中学校で完全実施されるというタイミングでした。

有名なのは「プログラミング教育」や「外国語教育」といった部分の話ですが、その他にも多くの分野での見直しや、主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニング)の重視など内容が大きく変わりました。

これが重なってしまった教育環境の状況について質問しましたが、数年前から移行に備えてしっかりと準備してきた成果で新学習指導要領の内容にも対応できていること、夏休み・秋休み・冬休みの短縮や行事の削減などによって時数の確保をしたことなで進度も概ね年度内に戻る見込みであること等の答弁がありました。

また、今年度中にタブレット端末が確保される予定ですが、ICTインストラクターは現在市に1名のみの体制。来年4月からの活用開始に向けて方針を聞いたところ、体制強化を検討しているとのことでした。

しかしながらまだ感染状況は油断できないことから、今後の休校の可能性や対応についても質問。 ちょうど一般質問の直前となる12月3日付にて文部科学省から通達があり、「特に小・中学校は、地域一斉の臨時休業は基本的に避けるべき」「『感染者が発生したらまず臨時休業する』という対応を見直し、臨時休業の必要性を保健所と相談の上、真に必要な場合に限って行う」と明記され、大規模・長期の休校の可能性はかなり低いこととなりました。 (ただし、それでも長期間の休校をせざるを得なくなった場合には、次学年以降に移して教育課程を編成することも検討することになります。)

(その他のやり取り抜粋)

Q.例年に比べ学力の開きや精神面での問題などの状況はどうか。

A.学校としても定着状況を見て学力の差を縮めるよう努力したほか、県から学習サポーターが追加措置され、既に市内全小学校に配置済みです。また、市雇用の基礎学力向上支援員等も活用し、学習支援を行っております。精神面では、スクールカウンセラーや心の相談員による面談、教育相談週間、アンケートの実施をするなど細心の注意を払い児童生徒の状況把握に努めています。

Q.長期休校中、虐待等の見守りが必要な児童への対応はどうだったか。また現在の体制は。

A.電話や家庭訪問の回数を増やすなど、心配な児童生徒の状況をきめ細かく把握できるよう努めました。また、学校から児童生徒へ、「24時間子供SOSダイヤル」などの相談窓口を広く周知し、子供が自らSOSを出すことができるよう指導しています。特に、学校再開時には、連絡のない欠席者や理由不明により連続して欠席する者について、把握し、安全を確認するよう学校へ指示し、必要に応じて児童相談所や市子育て支援課等、児童虐待担当機関と連携しました。

**後編、「コミュニティスクールの検討状況」は次回に続きます**

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新しい議会の構成が決まりました!

今日は議長や各委員会を決める臨時会でした。

まず、人が入れ替わったので会派の構成が大きく変わっています。

私は、画像の通り最大会派の一員となりました。

さて、本日の一番大きな役職決めである議長については佐藤麗子議員、副議長は在原直樹議員となりました。
ちなみに、2代連続の女性議長となります。
袖ケ浦市議会は本当にそのあたりはフラットです。

各常任委員会も決まり、私は総務企画常任委員会の副委員長となりました。
各委員会の正副委員長は以下の通りです。

【総務企画常任委員会】
委員長:笹生猛 議員
副委員長:根本駿輔

【文教福祉常任委員会】
委員長:山下信司 議員
副委員長:木村淑子 議員

【建設経済常任委員会】
委員長:村田稔 議員
副委員長:伊藤聡 議員

【議会運営委員会】
委員長:小国勇 議員
副委員長:山口進 議員

【議会広報特別委員会】
委員長:砺波久子 議員
副委員長:山口進 議員
※私も一委員として入っています。

体制も決まり、これで新たな市議会も本格的に始動していきます!

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交通事故の防止に向けてー子どもの事故予防議連 勉強会・総会

昨日は「子どもの事故予防議連」の勉強会と設立から1年を迎えた総会(オンライン)が行われました。

勉強会では、上西一美先生(一般社団法人日本事故防止推進機構理事長)を講師に迎え、子どもに関する交通事故について学びました。

実際の事故のドラレコ映像を見せていただきましたが、子どもの危険感受性は低い、だから運転者側が気をつけなければいけないとういことがよくわかりました。

私も以前保育園等の周りにキッズゾーンを設けて注意喚起を促すべきと訴えましたが、引き続き行政サイドでできることを進めていきたいと思います。

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皆様への感謝

多くのご支援を頂き、おかげさまで無事再選することができました。

選挙後半は悪天候に苦しまされましたが、応援の声を頂いたことで乗り切ることができました。

本当に感謝の念でいっぱいです。

これからも一層市民の皆様の声を受け止め、暮らしを改善し、皆様と一緒に未来ある袖ケ浦を目指して参ります。

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これからの財政運営(一般質問)

昨年の台風災害、そして今般の新型コロナウイルス感染症対策と、これまでも議会の中で懸念が上がっていましたが、財政調整基金(市の貯金のようなもの)からの大幅な取り崩しが続いている状況です。

平成30年度末の基金残高約36億円から、本年令和元年度3月末時点で約20億円強ということで、そこからさらに新型コロナウイルス感染症の対策として取り崩しが重なっている状況です。

これらの取り崩し自体は市民のために必要なものであるとは思いますが、今後一層厳しくなる財政運営において方針を質問しました。

【今後の税収確保について】
「今後もシティプロモーションを通じた市のPR等により、交流や定住の促進を図るとともに、各種産業の支援策を進め、税収の確保につなげていきたい」とのこと。
「交流増(ここでは≒観光客数の増)で市内消費が喚起されるために税収増につながっていく」との答弁もありましたが、袖ケ浦は観光客数の割に市内の消費喚起への結びつきが弱い傾向ありますので、対策を更に練っていかなければならないと思います。
市では新たにスポーツツーリズムも打ち出し始めましたが、観光農業、スポーツ、住宅、そして産業といった分野横断して取り組む体制が不可欠です。

【税収確保の新たな手段】
税収確保について従来以外の手段の検討については、「未利用市有財産の有効活用や、市税等の新たな納入方法の導入検討をするとともに、クラウドファンディングを含めたふるさと納税の推進やネーミングライツ制度の活用について検討していく」という答弁でした。
具体的には臨海部の未利用地について今後企業の意向を把握し、進出を希望する企業とのマッチングを図りたいとのこと。
現段階ではまだ全体像も把握できていないので、どの程度のポテンシャルがあるのか注目していきたいと思います。
また、ふるさと納税の仕組みを利用したクラウドファンディングも活用していきたいとのことでしたが、「共感」を集める打ち出し方が重要ですので、うまく企画していただきたいと思います。
さらにクラウドファンディングは市民活動や企業の利用という点を自治体が支援する事例もあり、こうした活用の仕方が結果的に自治体にもメリットがあるのではないかということで、提案しました。

【効率的な事業実施手法】
さて、支出の方もうまく抑えることが肝要です。
「事務処理の効率化を図るため、AIやRPAを活用した事務改善を図る取組や、公民連携の推進などによる民間活力の導入、公共施設の管理運営方法の見直しなどを行っていく」という答弁でした。
しかし私はさらに、成果に連動した報酬を委託民間事業者に支払う仕組み(※)を取り入れることで、限られた財源の中でより市民の満足度を高める、民間事業者の育成、費用対効果の高まりといったことが期待できるのではないか、という提案を行いました。

来年度から、組織改編で財政課が財政「部」へと切り出されます。
財政、財務のプロフェッショナルとして、予算内に収めよという話ばかりでなく、各部局の施策を前に進めるんだという気概を持ち、そのために取れる手段を幅広く提案できる、そうした組織となる期待を込めた質問でした。



※ Pay for Success(PFS)、Social Impact Bond(SIB)と呼ばれるような仕組みです。

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任期最後の本会議

本日で9月定例会の本会議終了。先日ブログにまとめた陳情の件を除き、全て可決となりました。

そして、予定されている本会議としては頂いた任期中最後の本会議となりました。

まだ議会広報委員会が残っていますし、正式な任期自体も11月2日までとなっていますので、気を抜かず頑張ります。

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共同親権についての陳情

今週は各常任委員会での議案審議と、決算の委員会審査の1日目が行われました。

私が所属する文教福祉常任委員会で特に多くの時間が割かれたのは、離婚後の共同親権及び共同養育の法整備に関する(国への)意見書提出を求める陳情について、です。
共同親権/単独親権の議論は非常に難しい問題であるため、今回は委員会前に会派の議員と共に弁護士のところへヒアリングも行った上で委員会に臨みました。

共同親権を含めた今後の家族に関わる法的な問題については、現在法務省・厚労省・最高裁の担当者や弁護士・大学教授の方などからなる「家族法研究会」で議論されているところですが、陳情の趣旨は(共同親権をベースとした考え方で)更なる議論を求めるもの。

確かに、共同親権/単独親権をめぐる議論として、
*一方の親が無断で子どもを連れて出ていき、会えなくなる。
*虚偽でもDVを訴えられると、連絡をとることができなくなる。
*海外では共同親権を導入しているところが多く、国を超えてトラブルとなることがある。EUからも指摘の決議がされている。
といった今回の陳情でも主張されている点は、共同親権を求める立場の方からよく指摘されている点です。

実際に弁護士に確認した中でも、状況からDVが実際にあった蓋然性が低いと思われるケースでも、行政から弁護士に対してでも全く情報が開示されず、(仮に弁護士を介してだとしても)話し合いの余地が無くなってしまっているといったケースも聞きました。

また、今回の陳情の中でも紹介されていましたが、国連子どもの権利委員会からも、「子どもの最善の利益となるときは、共同親権を認めるような法体制を整備すること」という旨の勧告が出されています。

こうした中、今回の陳情では具体的要望として
*同意なき子どもの連れ去りを行った場合に、速やかに子どもを元の場所に戻し、養育について話し合うこと。応じない場合は、連れ去られた側の親に暫定監護権を与えること。
*主たる養育親の決定をフレンドリーペアレント(他方の親により多くの頻度で子を会わせる親)ルールによるものとすること。
*養育費の取り決めに合わせ、年間100日以上の面会・養育を義務化すること。
*DVの受理について警察の捜査を義務付け証拠主義とすること。ねつ造DVについての認定・罰則を強化すること。
といった内容が挙げられていました。

しかしながら、そもそも海外での共同親権制度はその前提として、離婚等に裁判所等が関与する仕組みがあり、当事者の協議で離婚が成立する日本とは異なります。また、親権をはじめとした家庭内のトラブルに対して行政等が積極的に関与する仕組みになっている点も異なります。
表面的な部分だけの導入を行えば、家庭に積極的に介入を行わない日本の制度の司法・行政制度の中で深刻なトラブルが起こりうる、また子どもの環境が不安定になる蓋然性は高くなります。

具体的要望事項としても、非監護親に適切なプロセスなく監護権を与えることは、やはり子どもの環境を非常に不安定にさせるものです。
フレンドリーペアレントルールについては既に裁判所の判断の中で一部取り入れられている考え方であり、それも含めた総合的な判断によっています。同ルールも考え方の一つではありますが、単独親権にせよ共同親権にせよ、養育親に係る決定は子どもの最善の利益を考えた、総合的な判断によるべきです。
面会交流の義務化については、年間100日以上という日数は現状に比して非常にハードルが高く、現実的にも監護親と子どもに大きな負荷となりかねず、仕事や生活への影響も大きくなるため、これもやはり義務化とするほど一般化して「子どもの最善の利益」となるとは考えられません。

先に挙げた国連子どもの権利委員会の勧告についても、あくまでも、「子どもの最善となるときは」共同親権を認めるべきというもので、単に共同親権とすべきというものではありません。

現在、家族法研究会においては、共同親権・単独親権それぞれの課題を踏まえながら、「子どもの最善の利益となる制度はなにか」ということで法体系の見直しが、様々な論点を踏まえて慎重に検討されているところです。

共同親権については、表面的なものではなく、様々な条件を踏まえ、トラブルが起こりにくく、何よりも「子どもの最善の利益」となる制度としての検討が必要であり、本陳情を採択することに反対しました。

上記の旨を委員会で討論として述べ、全員(委員長を除いて5名)採択に反対という結果となりました。
(本会議で改めて採決があります)

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寄稿記事が閲覧できます

先日「地方行政」という業界誌に寄稿した記事がJBpressさんに転載されました。
自治体職員がターゲットの記事なので、あまり一般の方向けではありませんが…

高まる「廃マンション化リスク」要注意の地域とは 行政がマンション管理に積極的に関与していく時代に(1/5) | JBpress(Japan Business Press) – https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/61982